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title1997-2014 at  iroiro

17年前も神戸はこんな風に1日雨でした。

大きな目標に向かっての準備がだんだん佳境に入って来るといつも何かしらやらかしてしまうのは17年前とどうやらちっとも変わっていないらしく、さっき裁ちばさみでザックリ人差し指を切った。あの日の前日も釘と間違えて自分の人差し指を思いっきりカナヅチで打ち付けた。今日と同じ左手の人差し指。

雨天。

5月20日。

負傷した左、人差し指。

達成感を感じるにはまだまだだと自制する変な焦燥感。

でも少し小気味悪い充実感も含んだ独り笑い。…

西暦だけが1997年から2014年へと変化しただけで、余りにも同じ状況。状態?

 

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1998年。色色オープン1周年の5月20日には『ペコ』と『スマイル』と名付けられた小さなサボテンがふたつ届きました。私はまだ読んだことのない漫画の主人公(ペコ)とその親友(スマイル)の話を熱く語る2人の可愛いお客様。彼らが今一番好きな登場人物はこのペコとスマイルだから、一番好きなお店にそう名付けたサボテンを贈りたいのだ、とそんな事を話した記憶があります(断片的にですが…)。彼らからの贈り物のそのサボテンは程なく水のやりすぎで枯れてしまったけれどその二つの名前を私はどうしても忘れる事が出来なかったのです。

ペコとスマイル。ペコっとお辞儀してニコッとスマイル。そういうのがウチの店には合うよなあ~。そう思ったから。
その頃はそんな可愛いお客様の彼らが結婚して2人の可愛い男の子のお父さんとお母さんになるなんて想像もしていなかったし(今年の『iroiro 2014S/S collection at MANDRAKE 』でも家族4人で元気に会いに来てくれました)、自分自身も息子を育ててその子が松本大洋に恋い焦がれ、ペコとスマイルが登場する漫画『ピンポン』を全巻揃えて、深夜に細細と放映するには勿体無過ぎるアニメーションを毎週きっちり録画してお母さん、一緒に観よう。観たいやろ?漫画も読んだ方がいいよ。と勧めてくれたりするなんて、全くもって期待も想像もしていなかったし…。

何が言いたかったか、記したかったか、というと5月20日の今日という日にiroiroは色色として神戸の栄町のあの角のタバコ屋の(今は自販機のみです)隣でスタートして、それは17年も前の事だけど私自身は歳をとっただけで実際何にも変わってない、変われていないではないか!?(少し自分に対しての怒りを含む)というのはもしかしたら私の気のせいで、いろんな事が変化している。実っているし、満ち満ちているし、こんなに宝物みたいな話が出来るほど日々いろんな事が起こっているし、悲しい事もあったし、現在進行形で無視してしまいたい現実もあるけどやっぱりヒーローは毎日どこかで見参してくれているわけで…気が付いたら自分自身がヒーローだったっていうのはよくある話で…。(助けを待っていてもダメ、自分を救えるのは自分自身しか居ない、という事です。誤解の無いように…私はヒーローではありません。)

1997年から出会った人や起こったモノ、コト。私にとってそれはiroiro(2004年までは色色)を通して、いやiroiroがあったからこそ成し得た事だけではないけれども確実にほぼ大半がこのiroiroを通してだったような気がしています。ニンゲンがニンゲンらしくこの地球の上で生(せい)を営む事が出来る様に。ただ当たり前のことを淡々と続けることが何よりも難しい事だとは誰が言ったのか?私はとてもシンプルに簡単な事だと感じています。難しくなってしまうのは『正しいこと』をしようとするからだと思います。毎日寝て、起きて、食べて、動いて、美味しい物を美味しいと思い、美しい物を美しいと感じ、愛しい人を愛しいと思い、大切なものを大切な人たちに与えたい、伝えたい、教えたいと思い、言葉を使い、時に音を使い、時に写真を撮り。 そういう風にしてやってきた沢山の情報達を自分の持つ感覚を時に第六感までもを大きく開いて身を持って感じる。そして感謝する。。。そういう一連の(いやもっと人間臭い単純な動きが日々の生活にはたくさん転がっていると思いますが…)事を当たり前に営んで行く毎日。実に簡単で当たり前で楽しい。ただ…難しいのはこういう風に思える状態、感じれる状態に自分自身の身体とココロを保つ事。これは本当に難しい事だと思います。

地球上にあるイロイロな国の、イロイロな民族のイロイロな物達を。。。

当たり前に美しいと感じ、愛し、欲し、高め合える。そういう物をこれからも皆様に提案させて頂ける場を少しでも多く持ち、

そういう関係をこれからも皆様と作って行けたらと思っています。

(1997年5月20日雨の神戸の自分自身へ。 5月20日/2014年 雨の福岡より)